名簿はある。個別避難計画がない
議会で「作成が進んでいない」と繰り返し指摘されてきた。誰から作るかの優先順位を、公開データだけで組み立てられないか。
1だれの、どの場面か
支援する側(民生委員・ケアマネジャー・地域包括支援センター職員)
担当地区に要支援者はいる。計画を作る必要があるのも分かっている。ただ、限られた時間でどの人から着手すべきかの根拠がない。
- いつ
- 年度の計画づくり、および出水期の前
- どこで
- 日常生活圏域ごとの担当エリア
- 何に困るか
- 対象者は多く、支援者は少ない。ハザードの高さと心身・世帯の状況をかけ合わせた優先順位づけが、経験と勘に依存している
- 今はどうしているか
- 名簿順、あるいは把握している範囲から着手する。地区間で進み方がばらつく
2困っている場面
3ユーザーストーリー
- だれとして地域包括支援センターの職員として 何がしたい自分の圏域が市内でどの位置にあるか(ハザード・高齢化・事業所の密度)を知りたい なぜなら個別避難計画の着手順を、他の圏域と比較しながら説明できる
- だれとして防災・福祉の担当課として 何がしたい圏域単位の優先度マップを持ちたい なぜなら個人情報に触れずに、資源配分の議論を始められる
4根拠
オープンデータ使えるデータセット
- 日常生活圏域c_10 高齢者・介護148行。字名(および字内で限定・除外された地番)と圏域の対応表。地区集計の基準になる
- 高齢者人口・世帯数(平成24年度〜令和7年度)c_10 高齢者・介護14年分。年齢別の人口と世帯数
- 流山市内の介護保険事業者一覧c_10 高齢者・介護281事業所。サービス種別・緯度経度つき。支援資源の分布として使える
- 高齢者なんでも相談室(地域包括支援センター)c_10 高齢者・介護6か所。委託先法人・業務時間つき
- 避難所・避難場所c_05 防災・防犯・安心安全87行。福祉避難所を含む指定区分つき
議会会議録から読み取れる論点
- 防災・浸水 2021全国的に名簿作成は進んでも計画作成済みの自治体が少ない現状、優先作成者の判断(ハザード状況と心身・世帯状況)、浸水50センチ超や土砂災害警戒区域では早めの避難が必要という防災リテラシーの論点が扱われた
- 高齢者・介護 2021〜2026介護支援専門員・相談支援専門員など福祉専門職の個別避難計画への参画、厚生労働省の指針改正(自宅から直接福祉避難所へ避難を促す方向)が議論されている
- 防災・浸水 2018〜2019前ケ崎・名都借・思井・中・芝崎・下花輪など13か所約80戸へ土砂災害ハザードマップを直接配布した報告があり、対象を絞った働きかけの前例がある
市民の声まちづくり達成度アンケート 自由記述
防災無線が聞き取りにくい。安心メールでも内容を送って欲しい。どこの避難所でも同じ様に支援ができるとよいと思う。(食糧にしても、設備にしても)
2020年・南部
5オープンデータ活用のかたち
使うデータ
日常生活圏域高齢者人口・世帯数(平成24年度〜令和7年度)流山市内の介護保険事業者一覧高齢者なんでも相談室(地域包括支援センター)避難所・避難場所
→
つくるもの
圏域単位の優先度ダッシュボード(個人単位ではなく集計単位で設計する)
→
届く人
防災担当・高齢者福祉担当・地域包括支援センター・議員。住民向けではない
- 日常生活圏域を単位に、75歳以上人口・単身世帯数・介護事業所数・避難所までの距離を並べる
- ハザード(浸水・土砂)にかかる字を圏域に集計し、優先度スコアを出す
- 圏域ごとに「支援者1人あたりの対象者数」を推計し、手の足りない圏域を示す
- 個人情報は扱わない。名簿は市の内部で保持し、この画面は資源配分の議論用と割り切る
6どう測るか
- 圏域別の個別避難計画作成率
- 優先度スコアの高い圏域から着手できた割合
- 支援者1人あたり対象者数の圏域間ばらつき
7実現度と、足りないデータ
データ充足度3/5
実装難易度4/5
足りないデータ(公開要望のたたき台)
- 避難行動要支援者名簿(個人情報のため公開されないのが当然。圏域集計の代理指標で設計する必要がある)
- 個別避難計画の作成件数・作成率(現在は公開されていない。これは公開を要望する価値がある)
- 町丁字別の年齢別人口(全市集計しかないため、高齢者密度は世帯数からの推計になる)